パール染色株式会社
パール染色株式会社は、南丹市園部町にある染色工場で、布地への手捺染(てなっせん)を行っている。1965年京都市内で創業。工場拡大のため、1969年園部に移転した。代表取締役社長・林 宏樹さんを筆頭に、6名のスタッフで業務にあたっている。
体験できること
・シルクスクリーンの手摺り機を使った染色
園部から生まれる大手ブランドのプリント
パール染工は、創業から手捺染(てなっせん)という、水性や油性の顔料を使いプリントをおこなっています。捺染とは、顔料に接着剤を混ぜて染める技法で、顔料がにじまずクリアに染色できるのが特徴。京都で唯一、長さ50mの捺染台を使い、手作業で1枚1枚プリントしています。
手捺染は機械捺染に比べ、生地にしっかり顔料が刷り込まれ、深い色あいが表現できます。また、機械では対応しづらい繊細な加工や希望に応えることで、手工業にしかできない商品展開を実現しています。
大手ブランドの商品も数多く手掛けており、人気ブランド「SOU・SOU」の柄もパール染工がプリントしています。
「街で自分がプリントしたものを見かけると、うれしくやりがいがある」とはある職人の声。手際よくプリントする職人も、依頼通りインクを配合し色をつくる職人も、皆誇りをもって作業をしています。
AIが発達しオートメーションな世の中に、なぜ手作業にこだわるかの問いに「ハイテクの機械を用いてもつくれないものが、人の手によってハイテク以上の精密なものを生み出せるからです。ハードルの高いものが完成したときは、喜びもひとしおなんですよ」と答えが返ってきました。
「インクが服についたら取れへんから気をつけてな」と周囲を気遣いながらも、テキパキと作業を進めていた林さん。林さんの服には、アートと思えるほどインクがついていて、これまで多種多様な仕事を受けてきた証のように見えました。
今後は会社を現状維持させながら、職人に『パール染色を選んでよかった』と思ってもらいたい。林さんはそう願いながら、仕事に励んでいます。
体験を通して持ち帰ってもらいたいこと
アナログの良さを経験していただきたいです。スイッチをポンと押して出来上がるんじゃなくて、出来上がるまでの過程を、自分で経験できるのが魅力だと思うんです。デジタルの時代だからこそ、ひとつとして同じものができない、手づくりの良さを体験してほしいです。